ゲーミングPCの静音化設定について、テンプレート化を目指し記事を残していきます。
今回はCPUクーラーのファン設定について、おすすめの回転数とBIOSを用いた設定方法をご紹介します。
CPUクーラーのファン設定の流れ
- CPUの性能と発熱を決める
- ファンを最大回転数にする温度を決める
- テスト用のソフトを準備する
- アイドル時・高負荷時の回転数を考える
- ファンカーブを設定する
CPUの性能と発熱を決める
CPUの設定には電力制限や低電圧化といった、CPUの発熱を抑えられるものがあります。
- 電力制限:CPUの消費電力に上限を設ける
- 低電圧化:CPUが駆動する電圧を下げる
一度設定したら、その発熱を前提にファン設定をすることができますので、予めご検討ください。
電力制限・低電圧化については下記の記事で紹介しています。
BIOSでのCPU電力制限設定のやり方【Intel・AMD】
ファンを最大回転数にする温度を決める
静音化しても安全に冷却できるように
静音化設定をしても冷却の目的が達成できるよう、先に最大回転数を出す温度を決めておきます。
先程の電力制限などの様子をみながら、ご自身が希望するCPU温度に決めてください。
予め最大回転数だけ設定しておくことで、この後に行うベンチマークでも熱による負荷を抑えることが可能です。
この記事では私が設定している80℃を使用します。
サーマルスロットリングは頼りにしない
高負荷時の機能として「サーマルスロットリング」の発生が有名ですが、これはCPUが100℃に到達しないよう設けられたもので、ファン設定の参考にはできません。
というのもファン設定において、指定したCPU温度はあくまで「ファンの動作を変えるタイミング」だからです。
ファンが動作していても、冷却が間に合っていなければCPU温度は指定以上に上昇します。
ファン設定においては、90℃台で発生するサーマルスロットリングを参考にせず、自分で最高温度を想定するのが良いと思います。
テスト用のソフトを準備する
CPUのクロック数・消費電力・温度を確認できるソフト
ファン設定自体はBIOSで行うのですが、搭載しているCPUのクロック数・消費電力・温度を確認するためにソフトを使用します。
ここでは2つご紹介しますが、その他のソフトでも構いません。お持ちでなければダウンロード・インストールしてください。
(この記事中ではThrottleStopを使用しています。)
ThrottleStop
ThrottleStopはTechPowerUpが提供しているソフトで、CPUの様々な設定を変更できます。
対応CPUはIntelのみですが、CPUのクロック数・消費電力・温度を確認できるほか、それぞれを制限する設定をした際、いま何が上限に引っかかって制御されているか(サーマルスロットリングなど)を表示してくれます。
ノートPCなどBIOSで電力制限が解除できない場合の設定ツールとしても使用されています。(TPLボタンからPower Limit Controlができる)
記事公開時点(2025年4月13日)では、無料で利用できます。
HWMonitor
HWMonitorはCPUIDが提供しているソフトで、ハードウェアモニタリングソフトとして有名です。
Intel・AMDのCPUに対応しており、CPUの他にファンなどの情報も一覧できるため、静音化の目標があって電力制限をされる際にもおすすめのソフトです。
記事公開時点(2025年4月13日)では、無料で利用できます。(フリー版の商用利用にはライセンスが必要)
CPUに負荷をかけるソフト
高負荷時の状況を簡単に作るために、最大の負荷を手軽にかけられるソフトを使用します。
(この記事中ではCinebench R23を使用しています。)
Cinebench R23・Cinebench 2024
Maxon Cinebenchは定番のCPUベンチマークソフトです。
従来よりCinebench R23がよく使用されていますが、今ダウンロードしやすいのは最新版のCinebench 2024かと思います。
Cinebenchのスコアはネットに多くの情報があり、ご自身のPCのスコアと比較することで処理性能の目安とすることができます。
BIOSで電力制限をする際にも、「このCPUと同程度の性能までなら下がっていいか…」と考える材料として使用可能です。
お持ちでなければダウンロード・インストールしてください。
Cinebench 2024のダウンロードページ(外部サイト)
記事公開時点(2025年4月13日)では、無料で利用できます。
アイドル時・高負荷時の回転数を考える
推奨の回転数設定は?
- 40℃ 最低回転数
- 70℃ ベンチマーク時のファン回転数
- 80℃ 最高回転数
アイドル時に室温+10℃をキープ
発熱の少ないときにファンを全開にしていても、CPU温度は室温と同じにはならず、室温+5℃~10℃ほどまでしか下がりません。
ファンの回転数を設定する際は、真夏の室温30℃に+10℃した40℃から、回転数を上げ始めるように調整することがおすすめです。
アイドル時、ファンでの冷却が間に合っているのに、過剰に回転数を上げなくて済みます。
ベンチマーク時の温度を目安に調整
Cinebenchで10分間のベンチマークを行い、ベンチマーク時の最高回転数を、70℃のときに出せるようファン設定をします。
実際の作業やプレイは数時間に及ぶこともあります。
ケース内の温度が次第に高まることを考えて、想定した最高温度よりは手前のタイミングに設定しましょう。
さらに長時間のベンチマークを行うことも可能ですが、あまりおすすめしません…
数ヶ月もすれば室温の変化やホコリの影響で最適な値が変わるので、ベンチマークに基づいてファン設定を詰める価値は大きくないと思います。
この記事の推奨では40℃の最低回転数・80℃の最高回転数を固定する形をとっているため、ベンチマーク時の最高回転数を何℃に設定するかが好みに合わせて調整可能な部分です。
サイドパネルを開けてもOK
ケースファンの設定をまだ行っていない場合、ケース内に外気がうまく供給できていないかもしれません。
外気がうまく供給できていないと、CPUクーラーのファンを回してもCPU温度が下がらないという事態が起こります。
先にCPU単体でファン設定(温度設定)をしたいなら、サイドパネルを開けた状態でベンチマークをしましょう。
ファンカーブを設定する
BIOSでの設定方法
BIOSにアクセスする方法
電源ボタンを押してすぐ、BIOSが開くまで特定のキーを連打します。(1秒間に3回ほどがおすすめ)
キーは、メーカー等によって異なるのですが、よく使われるのはF2・Deleteキーで、次いでF1・F10・F12・Escキーでしょうか。
起動時、ロゴが表示される画面で確認できることもあります。
が、確認できなければPCメーカーのマニュアルなどを参照して確認することとなり面倒です。F1~F12・Delete・Escキーを試してから調べましょう。
Fがついたファンクションキーは、ノートパソコンをご使用の方ならFnキーを押しながら入力しなければならない場合があります。

ファンコントロール画面で設定
BIOSごとに操作画面の見た目が異なります。
プリセットではなくマニュアルで設定画面を開き、ファンカーブを操作することで先ほど考えた温度・回転数を適用してください。
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