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BIOSでのCPU低電圧化のやり方【Intel・AMD】

更新日:

ゲーミングPCの静音化設定について、テンプレート化を目指し記事を残していきます。

今回はCPU Load-line CalibrationによるCPU低電圧化を紹介し、実際のBIOS設定箇所や設定方法について記しています。

※メーカー保証外の場合があるため実施は自己責任でお願いします。

CPUの低電圧化とは

より低い電圧で同じクロック数を出す設定

CPUの処理性能はクロック数(クロック周波数)を上げると向上し、下げると低下します。

電力制限では電力・電圧とともにクロック数が下がるため性能低下がありますが、低電圧化では電圧とクロック数の関係を設定し直すことにより、同じクロック数・同じ性能を維持することが可能です。

ちなみにグラフィックボードでも低電圧化はできます。

うるさいグラボを静音化する低電圧化設定のやり方

メリットは電圧減・温度低下

電圧とクロック数の関係を設定し直すことで、いまと同じ電圧でより高いクロック数を出したり、より低い電圧でこれまで通りのクロック数を出したりということができます。

結果として得られるのは温度低下や、電圧減、処理性能低下の緩和です。

最高温度の低下例(私のPC:Intel 12600K)

Load-Line Calibrationという設定を変更して、CPUの低電圧化を行いました。

Auto設定のLevel3からLevel1に変更したところ、最大温度が6度低下しました。

LLC Level最大消費電力(W)最大温度(℃)
1103.961
2107.166
3112.667
4114.269
5119.572
6124.176
7131.984

デメリットは動作不安定のリスク

電子部品はギリギリの電圧で動かすとノイズの影響で安定した動作ができないため、多めに電圧がかけられています(電圧マージン)。低電圧化で削るのはこの電圧の余裕です。

過剰な電圧を削るだけならPCの安定動作に貢献し性能低下もない、むしろCPUに優しいのですが…元のゆとりをダイレクトに破壊できるので、低電圧化は「効果があるけどやりすぎ注意」のチューニングと言えます。

発熱対策なら先に電力制限を

併用できるので後でリスクをとろう

CPUの電力制限と低電圧化は併用が可能です。

併用すると、同じクロック数を出すための消費電力が下がり、電力制限での性能低下を受けづらくなります。

CPUの発熱を抑えるのが目的ならば、まずは電力制限がおすすめです。
低電圧化は動作不安定になる可能性が高いので、まず電力制限を試してみてください。

BIOSでのCPU電力制限設定のやり方【Intel・AMD】

電力制限のやり方は上記の記事で紹介しています。

必要なツールを準備

CPUのクロック数・消費電力・温度を確認できるソフト

低電圧化自体はBIOSで行うのですが、搭載しているCPUのクロック数・消費電力・温度を確認するためにソフトを使用します。

この記事中ではThrottleStopを使用します。

CPUに負荷をかけるソフト

設定の調整をする際や、動作確認の際に、最大の負荷を手軽にかけられるソフトを使用します。

この記事中ではCinebench R23を使用しています。

現状の確認

ベンチマークで現状の最大消費電力と処理性能を見る

Cinebench R23のCPU(Multi Core)、CPU(Single Core)をスタートし、ThrottleStopでクロック数・消費電力・動作温度をチェックしましょう。

BIOSでの低電圧化

低電圧化設定の場所

IntelはB760シリーズ、AMDはB650シリーズのマザーボードについて、搭載BIOSのマニュアルを確認しました。

下記にはマニュアルで確認できたところまでを記載しています。

実際は製品によって表示が異なるかと思いますが、設定画面を探す参考にしてください。

設定変更の前にデフォルト値(現在の安定動作している値)をメモしましょう!

Intel CPU

  • [ASRock]

Advanced Modeへ移動 → OC Tweaker → Voltage Configuration → CPU CORE/Cache Load-Line Calibration

  • [MSI]

Advanced Modeへ移動 → OC → DigitALL Power → CPU Loadline Calibration Control

  • [ASUS] 

Advanced Modeへ移動 → Ai Tweaker → Digi+ VRM → CPU Load-line Calibration

  • [GIGABYTE]

Advanced Modeへ移動 → Tweaker → Advanced Voltage Settings → (CPU/VRM Settings?) → ?

AMD CPU

  • [ASRock]

Advanced Modeへ移動 → OC Tweaker → VDDCR_CPU Load-Line Calibration

  • [MSI]

Advanced Modeへ移動 → OC → DigitALL Power → CPU Loadline Calibration Control

  • [ASUS] 

Advanced Modeへ移動 → Ai Tweaker → Digi+ VRM → CPU Load-line Calibration

  • [GIGABYTE]

Advanced Modeへ移動 → Tweaker → Advanced Voltage Settings → CPU/VRM Settings → ?

設定値(Level)の決定

ここからは、設定と動作確認を繰り返すことになります。

イメージとしてはBIOSで設定 → Cinebenchで動作確認 → BIOSで調整→ Cinebenchで動作確認 …という感じです。

CPU Load-line Calibrationの良くない点なのですが、BIOSによってLevel1が電圧最大なのか、Level1が電圧最小なのかが異なります。

BIOSのマニュアルを確認するか…現状で設定されていたLevelから1つ動かして、消費電圧が上がるか下がるか確認したうえで設定を続けてください。

最終の動作確認ではCinebenchで連続の負荷テストをするのがおすすめです。

Minimum Test Duration の項目で 10minutesや 30minutesを選択後、CPU(Multi Core)をスタートして、完走できればOKです。

私は10分完走で良しとして使い始めて、動作が不安定な場面が出たら1Level戻すようにしています。

以下は余談となります。

その他の低電圧化設定

マザーボードメーカー特製の設定

Load-Line Calibrationと似た設定に、MSIのCPU Lite Loadといったマザーボードメーカー独自の設定があります。

独自設定の方が細かに調整できることもあり、使用できるならばLoad-Line Calibration同様におすすめです。

2つ同時に設定を変えることは勧めません。

外部電圧オフセット

どのクロック数に対しても一律に電圧を下げるという設定です。

下げ幅の数値を細かく設定できるのが利点ですが、つい設定を詰めたくなってしまうのは欠点だと思います。

例えば現状から0.01Vずつ下げていって安定動作をテストするように設定していくと、納得がいくまでに大変時間がかかります。(かかりました)

私はざっくり0.05Vくらい下げてCinebench10分完走したらOKくらいにしています。

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