自作PCにおいて冷却と静音性のバランスは「ケースによる」「パーツによる」と言われがちですが、基本的な構造や設定は共通のものが多いです。
今回は静音性を重視した簡易水冷のファンレイアウトを紹介し、実際のPCを見ながらそのレイアウトや調整について解説します。
(※空冷のCPUクーラーを使用する場合は、下記の記事をご覧ください。)
【空冷】PCを静音化するためのファンレイアウト例【エアフロー】
おすすめのファンレイアウト 簡易水冷

ファンの個数を減らしやすく、アイドル時に静かでコントロールが楽なため、ケースの天面にラジエーターを置くのがおすすめです。
- ラジエーター:天面に配置(排気)
- フロント下部:1基(給気)
- リア:1基(給気)
ラジエーターのファンでCPU冷却とケース排気、フロントファンとリアファンでケース給気、と役割を分けることができます。
フロントにラジエーターを置くレイアウト
PCケースの都合で簡易水冷のラジエーターをフロントに置く場合は、
- ラジエーター:前面に配置(給気)
- 天面:2基(排気)
- リア:1基(排気)
天面ファン2基はまとめて1つのコネクタで制御します。
ファンの向きと配置
ラジエーターに取り付けるファンは、ラジエーターよりケースの内側にくるよう取り付けましょう。
単純にケース内へ音を閉じ込めやすくなるほか、ケースに吸音材をつけたときなど、聞こえてくる音の質を変えることができます。
簡易水冷にはラジエーターに風を送るプッシュ型・ラジエーターから空気を吸い出すプル型という概念がありますが、それでいうと下記のようになります。
- ケース前面に配置:プル型
- ケース天面に配置:プッシュ型
サイズは280mm以上を選ぼう
空冷ではなく簡易水冷を使用するメリットとして、大きなヒートシンク「ラジエーター」を使用できることがあります。
大きなラジエーターがあることで複数のファンを使用でき、CPUが高い発熱のときも静かです。
最大の冷却性能も向上しますし、低負荷時に回転数の変化を抑えることにも効果があります。
120mm×2のサイドフロー型より大きい、140mm×2(280mm)以上のモデルを使用しましょう。
ファンコネクタが足りないときの対処
マザーボードによってファンをコントロールできるコネクタの数は決まっています。
多くのファンを搭載する場合、同じ制御で良いファンはまとめてしまいましょう。
分岐ケーブルを使って複数ファンをまとめて接続します。
まとめていいファン駄目なファン
- 天面ファン・底面ファン:まとめていい
- ポンプとVRMファン:まとめて回転数を固定してもいい
- リアファン:個別制御推奨!他のファンよりも強く回したい
- フロントファン:個別制御推奨!上下段の風通しを回転数で調節したい
ポンプの回転数を固定する場合、VRMファンに減速ケーブルを繋いでからまとめると、ポンプ・VRMファンを1つのコネクタで回転数固定にできます。

またラジエーターが前面にあるなら、フロントファン上下段の回転数をずらすことで、ケース上下段のエアフローをコントロールすることが可能です。
(ケース上下段:グラフィックボードを境にケース内が上下に分けられた形)
ラジエーターの全面を等しく冷やすためには、ケース上下段にある程度同じくらい風が通る必要があります。
上下段で回転数を同じにすると、天面ファン・リアファンで排気する都合上、下段より上段の風通しが大幅によくなるでしょう。
回転数はフロントファン上段を弱めに下段を強めに回してください。
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