
玄人志向のグラフィックボードRD-RX7600-E8GBを購入しました。
さっそく静音化のためのカスタマイズをしていきます。
グラフィックボードの低電圧化とは?
より低い電圧で同じクロック数を出す設定
低電圧化はグラフィックボード・GPUが駆動する電圧を下げることです。 電圧を下げると消費電力が低下するため発熱が少なくなり、ファンの静音化に繋がります。
詳細やMSI Afterburnerでの設定方法は他の記事でご紹介しています。実際に低電圧化をされる方はこの記事と合わせてご参照ください。
グラフィックボードの概要
ハード面では静音性は高くなさそう

ファンが小さくて薄く、ヒートシンクも小さめなので、騒音は大きくなりそうですね。その分、搭載した際の見た目はコンパクトで大変おさまりがよいです。
静音性でいえば上位モデルのパーツを流用したものなど、ヒートシンクが大きいモデルが高評価ですが、このグラフィックボードはそういった物ではないようです。

2つのファンは個別にコントロールができない
MSI Afterburnerで確認した際、ファン設定は1つにまとめての設定しかできませんでした。
アイドル時、リア側のファン1つだけ最低回転数で回すといった静音化の小技があるのですが、今回は使用しません。
ではこのグラフィックボードの低電圧化を行い、静音化しましょう。
Radeon RX7600の低電圧化
MSI AfterburnerとFINAL FANTASY XV BENCHMARKを使用し、設定とベンチマーク(動作テスト)を行います。
共通のファン設定
GPU温度が、
- 40℃のときまでファンが停止
- 40℃のときにファンが最低回転数で運転
- 70℃のときにファンが65%で運転
- 80℃のときにファンが100%で運転
となるようにファンを設定します。

CPUなど共通の仕様
CPUはIntel Core i5 12600Kを使用しており、他のグラフィックボード(RTX3060・RTX4070)でPCケースの冷却に問題がないことは確認済みです。
【初めての自作PC】静音PC製作に挑戦!Intel12600K・RTX 3060【パーツ構成】
FINAL FANTASY XV BENCHMARKはスコアがfpsに依存した値で増えていきます。
FHD高品質でのスコアのほか、クロック数・GPU温度・ファン回転数について低電圧化の前後で比較を行います。
部屋の気温は20℃ほどに保っています。外気が冷たくグラフィックボードが冷えやすいため、最大温度の確認をするには向いていないかもしれません。このグラフィックボードの冷却性能を見るというよりも、低電圧化での変化を見るものとしてご覧ください。
デフォルト状態でのベンチマーク

まずはデフォルトの電圧設定を使用してFINAL FANTASY XV BENCHMARKを行います。
- スコア 9652
- クロック数 2555~2690MHz
- 最高温度 70℃
- ファン最大回転数 2530RPM(64%)

最高温度が出た2シーンの画像を掲載します。
クロック数が全然安定しなくて驚きました。アクセルとブレーキをちょこちょこ頻繁に踏んでいるような印象です…


低電圧化の設定
ここから低電圧化の設定をします。安定して出ているクロック数を「最大クロック数」として先を切り捨て、最大クロック数が今より低い電圧で出せるよう調整していきます。
最大クロック数を決める
デフォルト状態のベンチマークではクロック数が安定していなかったものの、とりあえず「2600MHz」を最大クロック数とします。
これは根拠がないのですが、経験上、ベンチマーク開始~チョコボ登場までのドライブシーンを目安にすると性能低下があまりないので…一旦ドライブシーンでのクロック数「2600MHz」を採用です。
MSI Afterburnerでクロック数と電圧を設定

MSI AfterburnerのCurve Editorを使用します。
今回は上下2つのグラフにクロック数(上段)、電圧(下段)の対応が記されていますので、それぞれについて変更が必要です。
- (上段)最大2600MHzになるよう右端の点を下げる
- (下段)2470MHz(2600MHzの95%)を出している電圧が最大となるよう右端の点を下げる

モニターに大きく表示できる場合、まっすぐな段ボールを画面にあてると、2470MHz(2600MHzの95%)を出している電圧の位置がすぐわかります。
上段で2470MHzが出ているとき下段では1120mVくらいの電圧をかけていることが見てとれます。

この作業は厳密に行っても動作不安定になるリスクが大きくなるだけなので、電圧を下げすぎない方向で自重しましょう。
ここではグラフの画面を最大化したときに軸の数値になっている「1125mV」を最大の電圧としています。
最大1125mVの電圧で2600MHzのクロック数が出るように設定できました。

低電圧化後のベンチマーク

- スコア 9919
- クロック数 2640~2660MHz
- 最高温度 65℃
- ファン最大回転数 2320RPM(59%)


性能低下はなさそう
低電圧化後スコアが9652→9919と上がっており、誤差を考えても性能の低下はなさそうです。
なぜか2600MHz以上のクロック数が出ています。2600MHz以外の数値を最大クロック数に指定しても50MHzほど高い数値で動作することから、この設定方法を使用した場合の仕様なのか…?と考えています。
安定動作しているからOKとしましょう。最大クロック数2600MHzはドライブシーンで確認した仮採用でしたが、ここで本採用とします。
クロック数の変動については振れ幅135MHz→振れ幅20MHzと安定しました。
一時的なクロック数低下が少なくなった分はスコアに貢献していそうですね。
はっきり温度が下がる
最高温度が70℃→65℃と低下し、ファンの回転数も2530RPM(64%)→2320RPM(59%)とダウンしました。
これは静音化に効果ありと言ってよいでしょう。
しかしそもそもが静音性の低いグラフィックボードで、残念ながら私の環境では低電圧化で「グラボがうるさい!」という状況は変化しませんでした。静音PCに組み込んで作業したのが良くなかったかもしれません…
以上、Radeon RX7600の低電圧化でした。
(おまけ)ファン設定を調整
せっかくベンチマークで計測したのでファン設定も調整をします。
ベンチマーク中、GPU温度が70℃前後を維持できるように変更します。
ベンチマーク中のファン最大回転数2320RPM(59%)を、GPU温度70℃のときに出すように設定して完成です。
GPU温度が、
- 40℃のときまでファンが停止
- 40℃のときにファンが最低回転数で運転
- 70℃のときにファンが59%で運転
- 80℃のときにファンが100%で運転
となるようにMSI Afterburnerで設定。
外気が20℃と冷たかったので、夏場を考えて62%など、59%付近で調整してもよいですね。
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