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うるさいグラボを静音化する低電圧化設定のやり方

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PCゲームの流行やAIの隆盛でグラフィックボード搭載のPCが珍しくなくなってきました。 ゲーミングPCの静音化設定について、テンプレート化を目指し記事を残していきます。

今回はグラフィックボードの低電圧化のため、ベンチマークソフト「FINAL FANTASY XV BENCHMARK」とGPUオーバークロックユーティリティ「MSI Afterburner」を用いた設定方法をご紹介します。

※メーカー保証外の場合があるため実施は自己責任でお願いします。

グラボの低電圧化とは?

より低い電圧で同じクロック数を出す設定

低電圧化はグラフィックボード・GPUが駆動する電圧を下げることです。 電圧を下げると消費電力が低下するため発熱が少なくなり、ファンの静音化に繋がります。

グラフィックボードの処理性能はクロック数(クロック周波数)を上げると向上し、下げると低下します。 PowerLimitを調節する電力制限では電力・電圧とともにクロック数が下がるため性能低下がありますが、今回の低電圧化では電圧とクロック数の関係を設定し直すことにより、同じクロック数・同じ性能を維持することができました。

電子部品はギリギリの電圧で動かすとノイズの影響で安定した動作ができないため、多めに電圧がかけられています(電圧マージン)。 設定によりこの電圧の余裕を減らすことで、静音化の目的を達成していきます。 過度な低電圧化は安定動作に影響がありますのでご注意ください。

作業の概要と使用ソフト

作業の概要

  • ベンチマークで安定して出る最大クロック数を確認
  • 最大の95%のクロック数を出している電圧で、最大クロック数を出すように設定
  • ベンチマークで動作確認
  • PC起動時にMSI Afterburnerを起動するように設定

使用ソフト

  • FINAL FANTASY XV BENCHMARK
  • MSI Afterburner

どちらも記事公開時点では無料で入手できるソフトです。

公式サイトを検索いただきダウンロード・インストールしてください。

FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION Benchmark | SQUARE ENIX

Afterburner (msi.com)

作業手順

ベンチマークで安定して出る最大クロック数を確認

MSI Afterburnerの事前設定

MSI Afterburnerのオンスクリーンディスプレイ機能を使って、FINAL FANTASY XV BENCHMARK中のGPU温度・クロック数・ファンの回転数を確認します。

MSI Afterburnerの「Settings」もしくは「歯車のアイコン」を選択し、プロパティ画面を開きます。

(以下、Afterburnerの説明をそのまま利用される方は、プロパティ画面内の「User Interface」タブから操作パネルの見た目を「MSI Mystic Afterburner skin by Drerex Design」へご変更ください)

「モニタリング」タブを開くと「アクティブハードウェア監視グラフ」という項目名の下に一覧が表示されるので、下記の項目を選択し、一覧よりも下にある「オンスクリーンディスプレイでの表示」にチェックを入れてください。

  • GPU temperature
  • GPU使用率
  • コアクロック
  • ファン回転速度
  • ファン回転速度計

続いて「オンスクリーンディスプレイ」タブを開き、オンスクリーンディスプレイのグローバルホットキーを設定します。

ここまで設定の入力ができたらOKを押してプロパティ画面を閉じます。 ベンチマークでの確認が終了するまで操作パネルの画面は閉じず、最小化していてください。

FINAL FANTASY XV BENCHMARKを実行

FINAL FANTASY XV BENCHMARKを実行します。 実行後先ほど設定したオンスクリーンディスプレイのグローバルホットキーを押すと、左上にモニタリングされたグラフィックボードの情報が表示されます。

ベンチマーク実行中はGPU使用率が100%近くになりますが、クロック数は増加・減少します。 ベンチマークを通じて概ね安定して出ているクロック数をどこかにメモしてください。

以降の設定では、この安定して出ているクロック数を最大クロック数として、より低い電圧で出せるようにしていきます。

(瞬間的に増加するクロック数は出なくなっても性能に大きな影響を与えません。)

最大の95%のクロック数を出している電圧で、最大クロック数を出すように設定

MSI Afterburnerの操作パネルより「Curve Editor」を選択すると、電圧とクロック数の関係を示したグラフが表示されます。

先程の画像のベンチマークだと、クロック数1965MHzが安定して出ていました。その際の電圧は1043mVかけられていることがわかります。
より低い電圧でこのクロック数が出るように設定したいので、グラフに対して以下の操作をします。

  • クロック数が最大クロック数の95%である点を探す
  • グラフ全体を下げて最大クロック数より高いクロック数が出ないようにする
  • クロック数が最大クロック数の95%である点を最大クロック数まで上げる

クロック数が最大クロック数の95%である点を探す

最大クロック数が1965MHzとすると1867MHzの点を探します。この点を最大クロック数まで引き上げることで、今より低い電圧で同じクロック数を出す設定をすることができますので、何mVの点かメモしておきましょう。

※なぜ95%なのか

PowerLimitを変更せずベースクロックを引き上げるようなオーバークロックの情報から、100MHz前後の変化で瞬間的なクロック数の増加を切り捨てる方法なら動作が安定しやすくなると考え、この値を使用しています。

私のマシン3台(RTX2070S・RTX3060・RTX4070)で95%、94%、93%…と試した際は1台が90%で安定動作しなくなりました。

グラフ全体を下げて最大クロック数より高いクロック数が出ないようにする

グラフの右端の点を選択し、Shiftキーを押しながら下へドラッグするとグラフ全体が下がります。 選択した点が最大クロック数となるようにして、操作パネルの「適用」ボタンを押します。

クロック数が最大クロック数の95%である点を最大クロック数まで上げる

先ほどメモした95%の点を、最大クロック数まで上げて、操作パネルの「適用」ボタンを押します。グラフが自動調整されるので、数値がずれた際はグラフ全体を下げて→点を上げて→適用をもう一度行ってください。

作成した設定はプロファイルに保存します。操作パネルからプロファイルのロックを外し、保存ボタン→保存したいプロファイル番号を選択して保存してください。

(操作パネル下の保存ボタンならびに右のプロファイル一覧)

ベンチマークで動作確認

FINAL FANTASY XV BENCHMARKを実行します。

まず安定動作しているかということ、そしてクロック数やファンの状態を確かめてください。 私の場合GPU温度が4℃下がりファンの回転数が300RPMほど低下しました。

スタートボタンを押してもベンチマークが始まらない(すぐに終了する)場合は安定動作していません。 もう少し高い電圧で設定し直してください。

PC起動時にMSI Afterburnerを起動するように設定

MSI Afterburnerの「Settings」もしくは「歯車のアイコン」を選択し、プロパティ画面を開きます。

全般的なプロパティの、Windowsと一緒に起動・最小化の状態で起動にチェックを入れてください。 更に先程保存したクロック数のプロファイルを自動で読み込むために、「プロファイル」タブから、自動プロファイル管理を設定してOKを押します。

現在何も設定していない場合は2Dプロファイル・3Dプロファイル両方に保存したプロファイルを設定して構いません。

以上で低電圧化の設定は終了です。

さらに攻めた設定

95%としたところを90%にしても動作したマシンがあったのでご参考用に掲載します。

設定変更 デフォルト → 90%

スコア 9384 → 9245

GPU温度 69℃ → 63℃

ファン回転数(2基) 1950RPM → 1480RPM

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