ゲーミングPCの静音化設定について、テンプレート化を目指し記事を残していきます。
今回はファンの静音化設定について全体の作業へ触れながら、使用するソフトを紹介します。
紹介する作業の一覧
- ファンの回転数やパーツ温度の確認
- CPUやグラフィックボードの負荷テスト
- CPUの電力制限・低電圧化、CPUとケースのファン設定
- グラフィックボードの電力制限・低電圧化・ファン設定
- PC全体のファン設定を一つのソフトで行う
- GPU負荷を軽減する(GPUメーカー公式)
- GPU負荷を軽減する(GPUメーカー非公式)
- 画質や見え方の確認
紹介するソフトの一覧
- HWMonitor
- ThrottleStop
- Rivatuner Statistics Server / RTSS
- Cinebench
- FINAL FANTASY XV BENCHMARK
- BIOS / UEFI
- MSI Afterburner
- FanCtrl
- AMD Software
- NVIDIA アプリ / NVIDIA コントロールパネル
- DLSS Swapper
- Lossless Scaling
- モンスターハンターワイルズ ベンチマーク
ファンの回転数やパーツ温度の確認
静音化ではなるべくファンの回転数を抑えながら、各パーツの温度を下げられる設定をします。
設定時の回転数やパーツ温度を表示できるよう、モニタリングのためのソフトが必要です。
- HWMonitor
- Rivatuner Statistics Server / RTSS
HWMonitor

HWMonitorはCPUIDが提供しているソフトで、ハードウェアモニタリングソフトとして有名です。
Intel・AMDのCPUに対応しており、CPUの他にファンなどの情報も一覧できます。
記事公開時点(2025年5月14日)では、無料で利用できます。(フリー版の商用利用にはライセンスが必要)
主な使用法
- パーツ温度の確認
- CPUの各コアのクロック数の確認
- ファン回転数の確認
ダウンロード(外部サイト)
Rivatuner Statistics Server / RTSS


Rivatuner Statistics Server / RTSS はGuru3Dが提供するユーティリティソフトです。
フレームレートの監視機能や、グラフィックボード情報のオンスクリーンディスプレイ機能を有しています。
記事公開時点(2025年5月14日)では、無料で利用できます。
また、後述のMSI Afterburnerと同時にインストールすることが可能です。
主な使用法
- パーツ温度の確認
- CPUの各コアのクロック数の確認
- ファン回転数の確認
- ゲーム中のフレームレートを画面上に表示
ダウンロード(外部サイト)
Rivatuner Statistics Server / RTSS
電力制限の解除(一部のPC)
CPUの発熱を抑えるためには電力制限が効果的です。
しかし一部のノートパソコンなどではBIOSでの設定が難しく、ソフトウェアでの電力制限が有用な手段となります。
- ThrottleStop
ThrottleStop

ThrottleStopはTechPowerUpが提供しているソフトで、CPUの様々な設定を変更できます。
対応CPUはIntelのみですが、CPUのクロック数・消費電力・温度を確認できるほか、それぞれを制限する設定をした際、いま何が上限に引っかかって制御されているか(サーマルスロットリングなど)を表示してくれます。
ノートPCなどBIOSで電力制限が解除できない場合の設定ツールとしても使用されています。(TPLボタンからPower Limit Controlができる)
記事公開時点(2025年5月14日)では、無料で利用できます。
主な使用法
- ソフトウェアでの電力制限の解除
- ソフトウェアでのターボ機能の停止
- ソフトウェアでのCPUコアごとのクロック数調整
ダウンロード(外部サイト)
CPUやグラフィックボードの負荷テスト
ファン設定を変更しても、実際にCPU・GPUへ高負荷がかからないとファンはあまり回りません。
CPU・GPUへ100%の負荷をかけ、静音性と冷却性能を確かめるために、負荷テストができるソフトを使用します。
パフォーマンスを数値化する「ベンチマークソフト」を使用することで、処理性能も合わせて確認することがおすすめです。
- Cinebench
- FINAL FANTASY XV BENCHMARK
Cinebench

Maxon Cinebenchは定番のCPUベンチマークソフトです。数回のクリックでレンダリングのテストが始まります。
従来よりCinebench R23がよく使用されていますが、今ダウンロードしやすいのは最新版のCinebench 2024です。
Cinebenchのスコアはネットに多くの情報があり、ご自身のPCのスコアと比較することで処理性能の目安とすることができます。
BIOSで電力制限をする際にも、「このCPUと同程度の性能までなら下がっていいか…」と考える材料として使用可能です。
記事公開時点(2025年5月14日)では、無料で利用できます。
主な使用法
- 安定動作の確認
- 最高温度の確認
- CPU使用率100%時におけるファン回転数の確認
- スコアをネット上の情報と比較
ダウンロード(外部サイト)
Cinebench 2024のダウンロードページ(外部サイト)
FINAL FANTASY XV BENCHMARK

FINAL FANTASY XV BENCHMARK は2018年にリリースされたFINAL FANTASY XV WINDOWS EDITIONを遊べるかテストするベンチマークです。
現時点から数世代前のゲームに関するベンチマークですが、未だに検証用として大変便利です。
DLSSなど各種機能への対応が限定的なおかげで、プリセットの品質と解像度でテストしても簡単にGPU負荷を100%にできます。
そのほかスコアがfpsに依存した値であったり、エラーが出たら落ちてくれたり(終了しやすい)と作業に都合が良いです。
記事公開時点(2025年5月14日)では、無料で利用できます。
主な使用法
- 安定動作の確認
- 最高温度の確認
- GPU使用率100%時におけるファン回転数の確認
- スコアをネット上の情報と比較
ダウンロード(外部サイト)
FINAL FANTASY XV BENCHMARKのダウンロードページ(外部サイト)
CPUの電力制限・低電圧化、CPUとケースのファン設定
静音化ではCPUクーラー・ケースファンの設定に加え、CPUの電力・電圧の設定を行います。
パーツの消費電力を制限することで発熱を抑え、前より低いファン回転数で冷し切るというのが静音化の基本の流れです。
- BIOS / UEFI
BIOS / UEFI

CPU・ケースファンの設定について、当サイトではOS起動後のソフトウェアよりもBIOSでの設定を推奨しています。
トラブルやSSD交換の際、OSやソフトウェアをインストールし直すことがありますが、そのたびにファン設定が必要になるのは結構面倒です。
発熱も静音性も経年では大して変わりません。
設定はPCを組んですぐにBIOSで整えて、後はケース内の掃除をする程度のメンテナンスで済ますことを推奨します。
BIOSで設定できるCPUの電力制限・低電圧化・ファン設定については下記リンクをご参照ください。
主な使用法
BIOS / UEFI へのアクセス
電源ボタンを押してすぐ、BIOSが開くまで特定のキーを連打します。(1秒間に3回ほどがおすすめ)
キーは、メーカー等によって異なるのですが、よく使われるのはF2・Deleteキーで、次いでF1・F10・F12・Escキーでしょうか。
起動時、ロゴが表示される画面で確認できることもあります。
が、確認できなければPCメーカーのマニュアルなどを参照して確認することとなり面倒です。F1~F12・Delete・Escキーを試してから調べましょう。
Fがついたファンクションキーは、ノートパソコンをご使用の方ならFnキーを押しながら入力しなければならない場合があります。
グラフィックボードの電力制限・低電圧化・ファン設定
グラフィックボードについても発熱を抑え、ファン回転数を制御する設定が必要です。
グラフィックボードはVBIOSと呼ばれるグラフィックボード搭載のソフトウェアで制御されています。
マザーボード搭載のBIOSでCPU同様の設定ができないため、グラフィックボードの電力制限・低電圧化・ファン設定はOS起動後のソフトウェアで行います。
- MSI Afterburner
MSI Afterburner

MSI AfterburnerはMSIが提供するオーバークロックソフトです。
電力・電圧・ファン設定の変更が可能なほか、RTSSを使用しfpsやグラフィックボード情報のオンスクリーンディスプレイを簡単に行うことができます。
近年はNVIDIA・AMDともに設定ツールが充実していますが、依然としてアップデートでの不具合が多く、ハード面の設定をするには使いづらい印象です。
MSI Afterburnerは2009年のリリース以降多くの人に利用されており、日本語でも解説が見つかるほか、動作も安定しています。
静音化に関する電力制限・低電圧化・ファン設定については当サイトでも解説していますので、下記リンクをご参照ください。
主な使用法
ダウンロード(外部サイト)
MSI Afterburnerのダウンロードページ(外部サイト)
PC全体のファン設定を一つのソフトで行う
静音化をする際はファン設定を変更するのですが、パーツ構成が変わると「最適な設定値がわからない」という状態が発生します。
一つ一つ調整するたびBIOSやMSI Afterburnerへと切り替えるのは面倒なので、ファン設定を一括で扱えるソフトを使用する場合があります。
- FanCtrl
FanCtrl

FanCtrlはLich氏によって作られたオープンソースの自動ファン制御ソフトです。
BIOSやMSI Afterburnerでの設定より優先してファン制御を行うことができます。
普段の設定をそのままに、一時的にすべてのファンを全開にしたり、異音が気になる際に一つ一つ回転数を変えたりといった作業をすることが可能です。
また、CPUクーラー・ケースファン・グラフィックボードのファンをすべて制御できるため、常駐ソフトとしてPC全体のファン設定を一括で行うこともできます。
主な使用法
- 一時的なファン設定を強制的に適用
- 各ファンの最大回転数での騒音チェック
- PCファンの一括制御
ダウンロード(外部サイト)
右の欄にあるReleasesからバージョンを選択し、その先のページでzipをダウンロードしてください。
GPU負荷を減少させる(GPUメーカー公式)
グラフィックボードのファンによる騒音を抑えるためには、GPUの発熱を減らすことが有効です。
GPUメーカーの公式アプリで設定を変更することで、低い負荷でも同じような描画性能・処理性能を出すカスタマイズができます。
- AMD Software
- NVIDIA アプリ/ NVIDIA コントロールパネル
AMD Software

AMD Software はAMDが提供するGPU用のユーティリティソフトです。
AMD Softwareにはゲームプレイ向けの「Adrenalin Edition」と、さまざまな業界のプロフェッショナルへ向けた「PRO Edition」が用意されています。
GPUがAMDのものであればAMD Softwareを使用し、ドライバの選択はPCの用途で行うのが良いです。
ゲーミングPCの静音化では「Adrenalin Edition」を使用し、全体の設定のあと、ゲームごとの設定を行います。
主な使用法
- 描画回数(フレームレート)の制限
- 画質や描画サイズの制限
- 高解像度技術の適用
ダウンロード(外部サイト)
NVIDIA アプリ/ NVIDIA コントロールパネル

NVIDIA アプリ/ NVIDIA コントロールパネル はNVIDIAが提供するGPU用のユーティリティソフトです。
ドライバとともにNVIDIA コントロールパネルがインストールされ、NVIDIA アプリは自分で後からインストールする形となります。
NVIDIA アプリ(下の画像)はNVIDIA コントロールパネルよりも一覧性と操作感が良く、最新の機能、ゲームごとの設定を扱うのに便利です。

(今のところ)ネット上ではNVIDIA コントロールパネルによる設定方法も多く紹介されているため、初期のグローバル設定をNVIDIA コントロールパネルで行い、その調整やゲームごとの設定にNVIDIA アプリを使うことをおすすめします。
NVIDIA コントロールパネルで行った設定はNVIDIA アプリ上にも反映されます。(逆も同様)
主な使用法
- 描画回数(フレームレート)の制限
- 画質や描画サイズの制限
- 高解像度技術の適用
ダウンロード(外部サイト)
NVIDIA コントロールパネルは、お使いのグラフィックボードのドライバとともにインストールされるはずです。
デスクトップの右クリックメニューに表示されていなければ下記からインストールし直してください。
GPU負荷を減少させる(GPUメーカー非公式)
ゲームのフレームレートを向上させる技術によって、低いGPU負荷でも同じパフォーマンスを出すことができます。
GPUメーカー非公式のソフトにもフレームレートを向上させるものがあり、これらの使用も静音化に有効です。
私の環境で現在使用していないソフトのため、MSK Gaming チャンネル様の動画を参考動画として掲載する形でご紹介します。
- DLSS Swapper
- Lossless Scaling
DLSS Swapper
主な使用法
- DLSSサポート対象外のゲームにDLSSを適用
参考動画の紹介(MSK Gaming チャンネル)
【DLSS4徹底解説】画質&FPS大幅向上!DLSSオーバーライドでほとんどのゲーム対応可能!?【NVIDIA最新技術】
Lossless Scaling
主な使用法
- AFMF2やDLSS4に非対応の環境でフレーム生成を行う
参考動画の紹介(MSK Gaming チャンネル)
【Lossless Scaling】みんなが使えるフレーム生成! Lossless Scaling 詳細セットアップガイド:導入~使いこなしまでの全てを解説!【2025年2月版 ver.3.0 対応】
画質や見え方の確認
GPU負荷を抑えるためにはフレームレートや画質の制限が有効ですが、これを適切に行うには各設定がゲームプレイにどんな影響を与えたか確認できなければなりません。
画質・見え方の確認にはグラフィック・動き・設定項目が充実したソフトでテストすることが重要です。
- モンスターハンターワイルズ ベンチマーク
モンスターハンターワイルズ ベンチマーク

モンスターハンターワイルズ ベンチマークは2025年にカプコンより発売された「モンスターハンターワイルズ」をどのくらい快適に遊べるかテストするベンチマークです。
ゲームの特性上大きな動きやムービーシーン、風景描写など容赦ないボリュームでテストができます。
グラフィックや音声の設定項目も、実際プレイ時に選択する程度に豊富です。
またDLSSなど超解像度機能などに対応したうえでテストができるため、モンスターハンターワイルズのプレーのみならず、設定項目による変化と自分の感覚を確認するためにも使用できます。
データサイズが大きいほか初回起動には時間がかかるので、最後の確認として使用するのが適切かと思います。
主な使用法
- モーションに違和感の出ないフレームレートの確認
- 遅延の確認
- 画質チェック
ダウンロード(外部サイト)
Steamストアのゲーム本編「Monster Hunter Wilds」ページより「Monster Hunter Wilds Benchmark」がダウンロード(インストール)できます。

以上、静音化やゲームプレイの確認に使用するソフトでした。
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